
1. まず「いまの自分」を整理しよう
転職を考えたら、最初にやることは自分の仕事の整理です。
これまでの仕事をふり返り、「何をしてきたのか」「どんな力があるのか」を言葉にしてみましょう。
たとえば──
- 学級運営:目標を立てて、進み具合を見て、クラス全体で達成する力
- 行事や会議の運営:計画を立て、関係者と調整し、当日を動かす力
- 保護者対応:人の話を聞き、説明して納得してもらう力
- 校内研修:資料を作り、教える側に立って伝える力
これらはすべて、どの仕事でも役立つスキルです。
紙やスマホのメモに、できるだけ短く具体的に書いていきましょう。
(例)「修学旅行の担当で、連絡や進行を管理。ミスを減らしてスムーズに運営できた。」
こうした記録が、あとで履歴書や面接で話すネタになります。
2. お金の準備をしておこう

転職を始める前に、生活の不安を減らすことが大切です。
退職から次の職場に入るまでには、しばらく収入がない期間がある場合もあります。
そこで、まずは
👉 6か月~1年分の生活費を貯金しておきましょう。
また、税金や保険料の支払い、引っ越しなどの出費も考えておくと安心です。
次に、生活に必要な金額をもとにして、希望する年収を決めます。
「多ければ多いほどいい」ではなく、
「これだけあれば安心して生活できる」という最低ラインを決めておくのがポイントです。
3. 家族や身近な人と話しておく
転職は、本人だけでなく家族にも影響があります。
「どういう目的で転職するのか」「どんな条件で働きたいのか」を、家族に説明しておくと安心です。
(例)
- もう少し残業を減らして家での時間を増やしたい
- 教育に関わる仕事を続けたいけれど、環境を変えたい
- 給与や勤務地の条件をこうしたい
話しておくことで、後から迷ったときに判断の基準になります。
職場の人に話すのは、内定が決まってからでOKです。
4. 今の職場でもうひとがんばり

転職を考えはじめても、今の職場での信頼はとても大切です。
「最後までしっかり働いてくれた」と思ってもらえることが、次の仕事にもつながります。
引き継ぎの準備も早めに始めましょう。
- 自分の担当業務
- 年間の行事予定
- よく使う書類やデータの場所
- 注意点やトラブル対応
これらをまとめておくと、退職時もスムーズですし、転職先の面接で「仕事を整理して進められる人」と伝わります。
5. 優先順位をはっきり決める
転職では、「何をいちばん大切にするか」を決めることが大事です。
たとえば──
- 年収を上げたい
- 残業を減らしたい
- 家から近い職場がいい
- 在宅勤務を取り入れたい
- 教育に関わる仕事を続けたい
このように、希望を3~5個書き出して、優先順位をつけましょう。
数値(「残業月20時間以内」「年収400万円以上」など)を入れると判断しやすくなります。
6. 「業界」を先にしぼる

求人を探すときは、まず会社よりも**業界(分野)**で考えましょう。
年収や働き方は、職種よりも業界の特徴に左右されることが多いからです。
教員の経験を生かしやすい業界の例:
- 教育・研修・人材関係(企業向けの研修や教材づくり)
- IT・SaaS(学校や企業での導入サポート、カスタマーサクセス)
- 出版・広報・編集(教育メディアや教材記事など)
- 行政・NPO(地域教育や子育て支援に関わる仕事)
「自分がどんな人の力になりたいか」を考えると、方向が見えやすくなります。
7. 職務経歴書はシンプルにまとめる
職務経歴書(しょくむけいれきしょ)は、あなたの仕事を伝える「説明書」です。
難しく書くより、短く・分かりやすく・具体的にが基本です。
たとえば:
行事の準備を担当し、担当者ごとの締切を管理。遅れを減らし、当日のトラブルを防止した。
校内研修を計画し、資料を作成。参加者アンケートで満足度90%を達成。
これくらいの文で十分伝わります。
応募する会社ごとに、少しだけ内容を変えるとより効果的です。
教員向け履歴書の書き方と注意事項を解説!教員からの転職成功ガイド
8. エージェントに相談してみる
転職サイトやエージェント(転職支援サービス)を使うと、非公開の求人情報を知ることができます。
2〜3社に登録し、担当者と面談してみましょう。
「話しやすい」「アドバイスが具体的」「無理に応募をすすめない」
そんな担当者を見つけたら、その人を中心にサポートしてもらうのがおすすめです。
また、**模擬面接(練習)**をしてもらうと、本番でも落ち着いて話せます。
9. 面接では「すり合わせ」を意識する
面接は、相手に気に入られるだけでなく、
「この職場で自分が気持ちよく働けるか」を確かめる場でもあります。
年収や働き方の希望は、できるだけ早めに伝えましょう。
「希望年収は○○万円くらいを考えています。家庭の事情もあり、残業が少ない働き方を希望しています。」
率直に伝えて大丈夫です。
無理に遠慮すると、入ってからギャップが大きくなります。
10. 退職の伝え方
退職を伝えるときは、まず直属の上司に話します。
伝える順番を守ることで、信頼関係を保てます。
伝えるときは、
- 退職日(最終出勤日)
- 有休の希望
- 引き継ぎの方法
をセットで話すとスムーズです。
引き止められた場合も、「感謝の気持ち」と「決意」は分けて伝えましょう。
「本当にお世話になりました。今後は新しい環境でがんばります。」
感情的にならず、落ち着いたやり取りを意識します。
11. 新しい職場での3か月

新しい環境では、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
まずは職場のルールと評価の基準を早めに確認しましょう。
次に、頼れる人や話しやすい人を見つけ、
困ったときは早めに相談します。
そして、3か月のうちに「小さな成果」を一つ作ることを意識しましょう。
たとえば──
- 仕事の手順書をまとめた
- 新しい資料を分かりやすく作り直した
- チームの報告の方法を改善した
こうした積み重ねが信頼につながります。
まとめ

教員の転職は、特別なスキルが必要なわけではありません。
必要なのは、準備と順番だけです。
- 自分の経験を整理する
- お金の準備をする
- 家族と話す
- 今の職場を整える
- 優先順位を決める
- 業界をしぼる
- 職務経歴書を書く
- エージェントに相談する
- 面接で確認する
- 退職を丁寧に伝える
- 新しい職場で小さな成果を出す
これを順番に進めれば、迷う時間が減り、安心して次のステージに進めます。
転職は「終わり」ではなく、「次のスタート」です。
一歩ずつ、自分のペースで大丈夫。
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